2025-01-15

灯台として在る場所

~まちを照らす、人生を照らす~

同窓生を代表して、母校(広島県立府中高等学校、以下府中高校)へ寄贈した作品。

タイトルは「灯台」なのに描かれているのは燈籠なのはなぜか

府中市には「日本一の石燈籠」(1841年創建)があり、交通機関が未発達で舟によって荷物を運搬していた時代、この石燈籠は「灯台」の役目を担っていたという話から着想を得た。

この燈籠は府中市の誇りだと感じ、温故知新の気持ちも込めて、府中高校の象徴として描いている。

蝶は、府中市のシンボルである国蝶オオムラサキからヒントを経ている。蝶は芋虫からサナギになり、そこから美しい蝶へと大変身する。サナギの時、中はどろどろの液体だというが、そこから美しい蝶に成る。たとえ今未来が不安でも、だれでも必ず自分らしく羽ばたけることをあきらめず信じてほしい、という思いから、生徒の象徴とした。

人生という川の流れの中で、縁あって集まった生徒(先生方も)たちが、府中高校という灯台を頼りに助け合いながら成長していく様子を舞い上がっている蝶の群れにたとえている。

卒業しても、その灯りを頼りに戻ってこれる同窓会というあたたかい場所がある。

府中高校を、まちを照らす灯台であり、人生を照らしてくれる灯台のような場所として表現した。

学校の歴史

府中高校の歴史を礎として書き込んでいる。明45年女学校ができる。その後、大正10年中学校に。昭和24年に高校の形態になり、昭和43年に現在の高校の形になった。

創立114年の歴史の中には、大きな大戦も二回経験しており、勉強どころではない時代もあった。そんな中、大切にこの学校の教育精神が受けつがれてきている。

まちの歴史

また、府中市の歴史も背景に描き込んでいる。

「府中」という名前に由来である備後国の国府(1200年前)、府中の港、福塩線の前身である両備軽備鉄道を走っていた蒸気機関車など。

時空を超えた対話

女学校時代の生徒と、今の生徒が対話している様子。

府中高校の歩んできた歴史や、現代の環境がどれだけ恵まれているか、学校という場所の大切さ、ここで過ごす時間の大切さを感じることができればと思い描き込んだ。

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